クリスマス前ナンパ/彼氏が五人いる貢がせ女子/ずーっと片想いしてる女の子


クリスマスは出会いの季節でもあるが、
別れの季節でもある。


彼に対する熱がすっかり冷めていると
この彼氏とはイブは無理、と思い、
この時期に別れを決断するらしい。


ナンパ師は出会いを求め帆走し、
別れそうな女性を見つけてはダッシュで口説いていく。


表の生活の仕事は年末で大忙し。
忘年会の付き合いであっちこっち走り回る日々。


まさに師走。




某日

新宿大ガード下でナンパ。


チバ「西武新宿線で帰るの?」
彼女「買い物でこっちまできた」


時間あるというのでバーに連れ出し。


二十代中盤。
職業不明。
コート脱いだら黒のワンピース。
髪は後ろで縛ってるし、
背も高いし、なんだかゴージャスな彼女。


ピアスは大っきい円形のもの。
よくクラブとかで引っかかって耳が千切れるんじゃないか?って思うやつ。


彼女『友達が引っ掛けて耳たぶ切れてたよ』


訊いたら、あっさりとそう答える彼女。
跡が残ってダサいらしい。


色々面白い体験してきてそうだったので踏み込んで色々訊いたら、
やっぱり面白かった。


友達がグラビアやってて売れないから枕しまくってるとか、
友達が起業家の愛人やっててビジネスクラスでハワイ行きまくってるとか、


中でもインスタでキラキラ感とかゴージャス感を思いっきり出して、
それで釣れる男性に豪華なディナーとか食事とか奢ってもらってる子の話が一番面白かった。


なんでもないただの一般職OLだったのに、
インスタとツイッター使って(最初は無理して)ゴージャスキラキラ感出して、
それで釣れるお金持ちの人に豪華なディナーに連れて行ってもらい、
その写真を載せていくらしい。


すると、さらにその写真によってセレブ感が高まり、
より男性が群がり、奢ってくれる人が増えていく。


気づけば完全なゴージャスキラキラアカウントの出来上がり。
そしてフォロワーも増えていくため、
「インスタで有名な子」ということでリアル世界でさらにいろんな場にお呼ばれされていく。


1人お金持ちを捕まえたら思い切り愛人して、バッグや洋服や、旅行エピソードをたんまりと蓄積。
それを利用してさらにインスタを膨張させていく。


ほら、無から有が生み出された。


いいねの錬金術師。


まさに現代らしい成り上がりの方法。


そんなこと話して盛り上がる。
チバもチャラ男の友達のとんでもエピソードを話して応戦する。


だが互いに自分のことはほとんど話さない。
そこは探り探り。


なんとなく、いま思えばインスタグラムの話は彼女本人のことだったんじゃないかな、なんて思っている。


で、場も盛り上がってきたので、ぐいぐい彼女のことを訊く。


彼氏がいるけど、微妙、みたいなことを言う。
その時点で察してきた。
彼女の表情。


あんまりそんなこと訊いてこないでよ。

そんなこと今はどうでもいいじゃない?

楽しみましょうよ。


そんな表情と雰囲気。


早いペースで三杯ずつ飲んで、
退店する頃にはふたりとも頬が紅潮していて。


自然に手つなぎ。
肩を抱いてタクシーへ。


自宅in。


玄関先でキス。
そのまま雪崩れ込むようにベッドへ。


即。



で、ここからの自己開示がものすごく楽しかった。


彼氏いるって言ってたけど、それ彼氏じゃないでしょ?って訊いたら、
そもそも彼氏っていうか、私は彼氏だと思ってない。笑
と笑う彼女。


そういうのが5人いて、適当に付き合ってることにしている。


で、クリスマスはそれぞれ時間変えつつも全員と会って、プレゼントを貰うという。


そんなことしたら、他に男いるのがバレるんじゃないの?
って訊いたら、


そう。バレるよ。
でもそれでいいの。


だって男って、女に他に男がいるって分かったら燃えるでしょ?
嫉妬して夢中になるでしょ?


だからそれとなく気付かせてるの。
競争させてるの。


こういうやり方が一番いいって気付いたんだもの。


ベッドの中で彼女は。

そんなことを言いながら笑っていた。



彼女の言う通り。
男は、嫉妬したときが一番燃え上がる。


それがこの世のゴールデンルール。


彼女はそれを知っている。
知ってるだけじゃない。それを実際に使える。
実際に使って、それが有効だということも身体で覚えている。


スキルが完全に身体に染み込んでる。
インストールされている。
こういう人が一番強い。
人間心理を心得てるし、実践する力も在るし経験もある。


まるでハンター。
ナンパ師の女バージョン。


久々に手練に遭遇した夜。





某日


オフの時に、東新宿のほうで
ナンパした看護師の子とアポ。


あまり化粧っけはないけど、
目が透き通るように綺麗で
美人な人だなと思った子。


富山出身の二十代中盤。


いつもの店で横並びで口説く。
すると彼女は、男性とほとんど付き合ったことが無いらしい。


いつも片想いをしているらしい。
地方在住時代は、中高とずっと1人を追い続けていた。

専門学校で上京したときも、ずっと1人を好きで。
訊くと、今でもその人のことが忘れられないらしい。


その人とはデートとかしたの?
と訊くと、
してないとの回答。


告白も一度もしていない。

ただただ、遠くから眺めているだけだという。


へえ、、と思いながら聞いていたが、すぐに感づいた。


このパターン。
この典型的なパターン。


片想いを盾にしたタイプの女の子。


気付いたことは胸にしまって、
うんうんと頷く。

話を聞き、共感する。


ポイントは、絶対にその彼のことをけなさないこと。
否定しないこと。


「俺なら、絶対に君にはそんなことをしない!!!」

「俺なら絶対に君を幸せにしてあげられるのに!!!」


なんて言って叫ばない。
叫んだりしない。


ただただ、うんうんと共感するだけ。


で、二軒目は立ち飲みの店に移動して、
ポジティブな話題で場をなごませていく。


さくっと手を繋いで退店して。


そのまま自宅へ。


ノーグダ。


準即。


凄く献身的な子。
看護師あるある。
看護・介護系あるあるの献身的サービス。

分かる人には分かるこの謎の傾向と共通点。


寮の人の目があるということだったので、
朝までは泊まらずに彼女は帰宅。


彼女は、典型的な片想いの子。


片想いをしていることを周囲に言いふらしておく。

そうするとどうなるか?


彼女は真面目な子という評価を得ることになる。


叶わない片想いをする。
例えば既婚者のドクターが好きだとか。
とんでもないイケメンで性格が良い人(彼女有り)を好きになるとか。

あるいは芸能人、ジャニーズを好きになるとか。


そうすると絶対に失恋しなくなる。
そりゃそうだ。
告白しないのだから。


告白しなければ、失恋しない。
告白しなければ付き合うこともないので、
付き合うことがなければ別れることもない。


そんなシステム。


周囲の女友達も、彼女は一途な片想いをしている子、
ということになり、それ以上深く突っ込んでくる人はいなくなる。


果たしてその真相は?


しっかり男性と遊んでいる。


好きな人に相手にされない、という
最大のスキを見せて、
男を巣に誘うスパイダー。


穴に入ればそこは蟻地獄。


男はその理想の男性に負けないように、
必死に背伸びして、自分をよく見せようともがく。


そんな男、俺が忘れさせてやるよ!


そう意気込む男性を、

ほんとに?

ほんとに忘れさせてくれるの?


なんてうつむきながら、
ちらっと見ながら、
そう言って。


自分を守ってくれる男性、
満足させてくれる男性を、
周囲に大勢ストックさせている。



口説き、口説かれの現場では、
女性が発する言葉、
男性が発する言葉、
そのひとつひとつすべてに
隠された意図がある。


普通は気付かない。
そんなことは分からない。


だって隠されているから。
隠してるから、気付かれない。


でも裏には、沢山の意味が存在する。
世の中には表と裏がある。
言葉にも、表の意味と、裏の意味がある。


本当に、恋愛は男と女の騙し合い。
嘘と本当が複雑に絡み合ってる。
表と裏が入り混じってる。


気付かないほうがいい事が沢山ある。
気付かなければ楽しいことのほうがむしろ多いかもしれない。


でも、この世に生まれたからには、
一度しか生きられない人生だとするならば。


やっぱり、知らなくてもいいことも、
知ってみたい、
と強く思ってしまう。



ちょっとネガティブっぽくなってしまったけれども。



華やかなクリスマスの裏の顔、ということで。





コメント

  1. たくぞう より:

    間違いないですね!!!
    すごい勉強になりました

    僕ももっと意識してみます‍♂️

  2. チバ より:

    >たくぞうさん
    裏を読む習慣を身につけると景色が変わります。