誰かが言った。
『ストリートには夢がある』
そう。夢がある。
人は夢を見る。そして夢を叶える。
そして夢には、
続きがある。
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2年前の夏。
ひとつの夢を叶えた男たちがいた。
美女とのまったりLAN。
コテージを借りての泊りがけの一泊オールタイムLAN。
構想から2,3年かけてやっと現実となった夢。
それは本当に一瞬で。
相棒と会うたびにその話をして。
ほんと楽しかったよな。
ほんと大変だったよな。
あのときのお前のあれは本当に爆笑だったよな、、
一緒に飲みながら沢山話したし、
たまの電話でも必ずその話をした。
※前回記事 スト師はLANの夢を見る
nanpawars-blog.net/post-4656
それから月日が経ち。
当然ながらもう一度やろうという話が持ち上がって。
しかしそれも簡単な話にはならなくて。
まず2020年はコロナで大変なことになった。
泊まりでどこかに行くことも無理になったし、
地方在住の相棒は関東への出張の機会が激減してしまった。
自分も一旦ナンパ活動を停止していて。
その後再開するがやり方はソロでのシークレット活動。
コンビでLANくるくる狙いのようなやり方はしなくなっていて。
2020年は当然のごとく中止となった。
それからさらに月日が経ち。
GO TOキャンペーンが始まったり終わったりして。
社会情勢もどんどんと変化していく中。
互いに気にしていたことを話すようになってきた。
そして某日。某所居酒屋にて。
「今年の夏何かやる?」
「どうしようか」
「ついにあれ狙う?」
「あれって?」
「あれだよ、分かるだろ」
「そうだよな」
「やってみる?」
「いや、どうかな、、」
乗り気じゃなかった。
前回の奇跡の大成功。それは今後のプレッシャーになって。
あれを超えなきゃいけないという重圧が加算される。
それは精神的にもだし、そして技術的な面も含めて。
正直、前回はほんとにミラクルだった。
ナンパ歴が長い人なら分かると思う。
とびきり可愛い子が2人完璧に揃うペアというのは中々いないのだ。
なぜか片方だけが飛び抜けて可愛かったり、もう片方はなぜか飛び抜けて・・・だったりする。
もちろんたまに可愛い子二人組に遭遇することはある。
しかしそれを即でLANを決めるのは結構な至難の業で。
結構なミラクルで。
そしてそれを一晩限りではなく「関係を維持してもう一回LAN」に持ち込むには、
本当に本当にいろんな要素が必要だし、運も実力も相手の素質もタイミングも必要。
全てが揃わないと実現不可能だ。
それが揃ったから前回は凄かったのだ。
それを2人とも分かっていた。
だから軽い気持ちで「もう一回やろう」と言い出しにくかったのだ。
「とりあえずあの宿検索して見てみていい?」
前回使ったコテージ。
プール付き。東京から車で行ける距離。
思い出深いコテージ。
メアリーと夏希と激しく愛し合ったプールサイド。
思わず手で顔を覆うダブルの笛。
目が眩む太陽と圧巻の乗馬。
スマホで検索しだす相棒。
焦点の合わない目で思い出をなぞる自分。
つぶやく相棒。「あ、営業してる」
「7月のこの連休、空いてるじゃん」
この時点で某月。x月先の連休に空きがあった。
今からでも予約が取れる状態。
この週なら理由つけて関東に行けると思う、と言う相棒。
自分もその週は一泊二日ならおそらく大丈夫。
スケジュール的にはOK。
ただ、当たり前だが相手が決まっていない。
そこが一番重要。
当たり前だが予約はできない。
値段が高いし、基本的にキャンセルポリシーは厳しい。
相棒を見た。
なぜかにやけてこちらを見ていて。
「いや、まだやると決まってないよ?」
慌ててとっさに答えた。
というか相手決まってないしできるか分からないし。
そもそも順番がおかしい。
物事には手順があるし、リスクがあるし合理的じゃない。
にやにやしていた相棒が、急に真面目な顔を向けてきた。
驚いているところに一言。
「チバ。実際俺たちあと何回こうやって遊べる?」
え、と思った瞬間。
相棒がスマホを操作した。
そして。大声で笑い始めて。
のけぞって手を叩き始めて。
ぽかんとしている自分に、
爆笑しながらスマホの画面を見せてきた。
コテージ予約完了のサンクスページが、
画面いっぱいにうつっていた。
(続く)
コメント
後編を、心待ちにしております
>ファン歴7年のアラサーさん
ありがとうございます。