恋の悩みほど甘いものはないとアルントが言うように、またかつて若きウェルテルの悩みが全ヨーロッパ中の男性に大絶賛を受けたように、
思い悩む時間というものは甘美であり、享楽であり、人生を彩る楽しみのひとつでもある。
しかし、ことナンパでの成果という視点にフォーカスした場合、この時間はもっとも排除すべき存在となる。
結論的に言うと、アポが成立するかどうかの9割はラインのやりとりをする前に決まっている。
最初に声をかけた時の印象、話している時の内容、立ちふるまい、会話のテンポ、受け答えの上手さ、スムーズなライン交換、先を見据えた好みの質問、日程の仮決定、ファーストラインにつながる布石。
これらすべての総合点でラインのやりとりのテンポは決まるし、途中で無視されたり、ドタキャンされたりといった、悲惨な出来事が起こるか起こらないかということが決まってくる。
もちろん、ラインのやりとりが異常に気持ち悪かったり、短文で送られてきたラインに超長文で返したり、異常に返信スピードが早かったり、しつこく会おう会おうとがっついたり、セクハラまがいな文章を送ったりすれば、どんなに最初の印象が良くても無視されることに繋がっていくが、
基本的に会った時の印象が良ければ、その後は無難なメッセージのやりとりをしていけば、女性は待ち合わせの場所に時間通りに現れてくれる。
もちろん、恋愛師、口説き師、ナンパ師の中で共有されている極秘のテクニックというものは存在する。
思わず返信したくなる文章だったり、画像を使ったやりとりだったり、一度無視されてしまった女性を復活させるラインスクリプトだったり、
先人達がその身を張って実践し磨き上げて結晶化してきたスキルやテクニックというものは、実際に存在するし、その効果も保証できるものが沢山ある。
しかし、ナンパという全体のプロセス、つまり声をかけてから立ち止めして、連絡先を聞いて、ラインをして、アポで口説いて、個室でベッドインする、というすべての流れと比較してみると、
メッセージのやりとりというのは非常にごく狭い範囲の分野であり、いくらその部分を突出して鍛えて磨き上げたとしても、他の部分が平均点以下なら最終的なアウトプットであるゲット(準即)は生まれてこない。
(そもそも即にはメッセージのやりとりが存在しない)
連絡先を交換した女性から返信がないと心が痛む感覚は、非常に理解できるし、誰しもが思い悩むものだ。
なぜなら返事というものは存在肯定だからだ。
友達に連絡を送って返ってくればそれは友情肯定になり、恋人に連絡を送って返ってくれば、それは愛情肯定になる。
一方で、返事がないというのは存在否定だ。
友達に連絡をしたのに無視される。
恋人に連絡をしたのに返ってこない。
それは友情否定となり、愛情否定となる。
リアルの世界では実際はそんなことは滅多に起こらない。挨拶をすれば返してくれるし、友達に話しかければ返事が返ってくる。
恋人に話しかければもちろん返事は返ってくるし、愛の言葉を口にすれば愛の言葉が返ってくる。
だがメールやラインなどのメッセージツールは、コミュニケーションが文字に限定されてしまうため、実際に相手にそのつもりがなくても受け手は否定だと感じてしまうことが頻繁に起こる。
人によってはリアルな出来事と結びつけてしまい、「挨拶をしたのに無視された」、「声をかけたのにシカトされた」、ということと同等な出来事のように思い込んでしまうこともある。
人は社会動物であるため、存在否定というものに本能的なダメージを感じてしまう。
そのため、連絡先を交換した相手から返事がなかったり、遅かったりすると、まるでリアル世界で無視をされたような強烈な存在否定を受けたような気持ちになり、凄く寂しい思いをしたり、悲しい気持ちになったり、ため息をつくような暗い気持ちになったりする。
どうして返信をしないのだろうか、忙しいのかな、仕事なのかな、友達といるのかな。ましてや他の男と一緒にいるのかな。と、どんどんとネガティブなことを考えて気分が沈んでいくようになっていく。
しかし、この時間こそ、ナンパ活動においてもっとも成果と結びつかない非生産的な時間となる。
なぜなら、ラインで返信が遅い理由、返信がない理由というのは、不確定要素が多すぎて分からないからだ。
ポジティブな理由の例を挙げると仕事が忙しかったり、転職活動中だったり、新しい職場に移ったばかりでそちらに集中していたり、
資格試験を受けているからだったり、実家のドタバタ中だったり、身内の不幸や家庭の事情のせいで返せなかったりしたかもしれない。
ネガティブで傷つく理由だと、ライバル男子と比較してそちらの方が魅力的だったとか、女友達からの助言で無視に至ったとか、彼氏がいてその彼氏からブロックされたりだとか、
それ以外にも世間の常識を考えて連絡を辞めたり、自己イメージとの乖離だったり、ただ単に感情の変化で意味もなく連絡をやめたり、生理でだるいからという理由で、連絡が返ってこなかったりもする。
対面で口説いているときであれば、盛り上がるか盛り上がらないかの要素はその現場にほとんどあり、家連れ出しができるかできないかも判定要素が現場に多いので正確な判定法が出来るが、
メッセージのやりとりの場合は目に見える要素が非常に限定的になり、かつ時間軸という要素が加わってしまう。
そのため判定材料が一次元要素しかないのに三次元の問題を解くくらい無理難題となり、原因が見えないためすべての原因にそれぞれ対策を打つということも非常に難しくなる。
極端な例として、監視カメラやGPSをその女性に付ければ分かるかもしれないが、それでも人の頭だけは開いて見ることが出来ないため、どんなに突き詰めても最終的には無視された理由というものは絶対に判明することは無い。
無視した理由を女性がその親友に言ってることを結果的に耳にしたとしても、それはただのポジショントークかもしれないし、その場で適当に考えた理由かもしれないし、ただの嘘かもしれない。真実というものは、突き詰めると絶対に分からないようになっている。
では、結局どうすればいいのかというと。
メッセージのやりとりについては、完全にフローチャートにして、パターン化したやり方を作業的にこなしていくことが最も良い。
送るメッセージは極力シンプルなものにする。(絵文字も使わないし、私は顔文字すらほぼ使わない。長文は絶対NG)
内容は至ってシンプルで、日程調整と、場所の調整と、お店の内容を軽く説明すること。あとは当日までのつなぎの内容(仕事は大変?、お疲れ様、おはよう)をただただ機械的に送る。
シンプルな内容を送る最大の利点は、シンプルなメッセージを送ると返信もだいたい同じになるということ。
返ってくる内容が同じになるので、それに対する返信もまたあらかじめ決めた内容で返していけるようになる。
送る時間帯もだいたい同じにすれば、仕事中だったりナンパ中だったりにいちいちスマホを開いてメッセージを確認する作業回数も劇的に減る。
もちろん女性によってイレギュラーな返し方をしてくる場合があるが、パターン化というのはすべてのスクリプトを文章でパターン化しているというだけではなく、
ファーストメッセージ→世間話→ヒアリング→日程調整→つなぎの世間話→リマインダー→直前メッセージ、など、
送る「主旨」をパターン化しフローチャートにしておけば、ほとんどすべてのパターンに対応しておくことが出来る。
もちろん、どの文面が効果が高いか、低いかについては、地道にA/Bテストを繰り返していく。一見面倒に見えるが、A/Bテストこそ成長のエンジンであり、上達のプロセスにおいて最重要の要素であると私は確信を持っている。
このように、一旦鉄板のフローチャートを作ったらあとは完全に作業に徹する。
メールやラインを作業化する。
そこに感情は入れない。存在肯定も否定もない。10人にラインを送って、4人から無視とアポ不成立を貰ったからと言って、「4人から存在否定された」といちいちへこまない。
大切なのは人格とフローチャートを切り離すこと。自分が悪いのではなく、フローチャートに不具合があるということ。上手く行かなかったら別の文面に変えてみたりして、更に精度を高めるためにA/Bテストを続行していく。
100人に送って100人から返事が返ってくるメッセージなんてそもそも存在しないのだから、ある程度のロスは仕方ないと割り切って、少しでも率を高めるためのA/Bテストを作業的に実行していく。
そして、変な離脱が無くなり、8割型完成したな、と思ったら、もうラインメンテナンスの分野について考えることは辞める。
そしてそこで生まれた時間を、他の重要な活動へと再分配していく。
なぜならラインよりも重要なフェーズ、メンテナンスよりも重要なステップが山のようにあるからだ。ファーストトークでの切り返しを上手くする練習だったり、より上手い立ち止めの方法だったり、新しいアポの店の開拓だったり、より魅力的に感じさせる会話の内容だったり、ゲット場所までの動線の確認だったり。
見た目の改善だったり、筋トレだったり。ラインよりも力を入れるべき重要事項は山のようにある。
ラインが返ってこないからと言って女性との今までのラインのやりとりを読み返したり、女性のラインのアイコンをクリックしてトップ画の顔写真を眺めたり(よく見ようと拡大できないのに指で拡大しようとしてしまったり)、タイムラインを下までスクロールする、とかはしない。
そうしているうちに間違えてライン通話を押してしまったり、たまたまちょうど女性からラインが送られてきて、即既読を付けてしまって頭を抱えて悶絶するのがオチになる。
ベッドの中でラインを眺めてもんもんとするより、その時間を使って自宅で腕立て伏せをしたり、ちょっとランニングウェアに着替えて20分くらい走って公園で懸垂して逆三角形の身体を作ったり、痩せてシャープなアゴのラインを手に入れたほうが何十倍も成果に繋がり生産的になる。
そうすれば声かけの最初の印象がグッと良くなり、新規ゲットの数が増えていく要因になる。鍛えた身体とシャープなラインは自分に対する自信にもなるため、全体的なふるまいも好印象になるため全然良い。
それらの努力はナンパの分野だけでなく、実社会においても良い影響に繋がっていく。
成果を出す凄腕は、ナンパの全プロセスのうちどの部分にリソースを集中すれば最終アウトプットが最大化するかを把握している。どの部分が平均点で良くて、どの部分が平均を上回っていなければならないのかを分かっている。
ナンパにおけるそれは、圧倒的に声かけの部分だ。そして次はなごみ。アポにおいての口説きの部分にこそ、最重要な要素がぎっしり詰まっている。
ラインメンテナンスの科目は平均点を取れさえすれば良い。平均点以上は特に狙わなくても、それで合格ができる。
口説きの科目で圧倒的な点数を取ることができれば、グダ崩しの点数が平均点でも、そのままの流れでノーグダでゲットまでコマを進めることが出来るようになる。
もちろん、ラインにおける一発逆転のテクニックは存在する。悪い流れを一気に良くする文面だったり、またグダ崩しにおいても最悪の状態から一気にゲットまで滑り込むテクニックも、効果が実証されたものが数多く存在している。
しかしそれらはあくまで起死回生の一手であり、確率的に一発逆転を生み出す性質のテクニックになる。そればかり使っていても、確かにゲットはできるようになるが、安定した成果というものは生まれてこない。
こうして、凄腕はライン無視のストレスを感じること無く、どんどん安定的に新規案件を増やしていく。そして新規案件がどんどん増えるので、ラインのやりとりのキャパシティーが簡単にオーバーする。
そうするとラインも短文になり、やりとりも必要最低限の女性としかしなくなる。女性が面倒な文章を送ってくると、他に女がいるので男性側が無視するようになる。すると文章に自信と余裕感がどんどんにじみ出てくるようになり、それを直感で感じ取った女性はさらに必死に返信したり、疑問形のメッセージを送って来たり二通続けて追撃ラインをしてくるようになる。
こうして、ラインメンテナンスではなく新規活動にリソース配分を強化することにより、いままでの女性と男性の立場を完全に逆転することができるようになる。無視されていた側から、完全に取捨選択して無視する側の立場に移ることができるようになる。
こうすることで成果の出る上昇スパイライルに乗り、一気に高いところまで飛んで行くことができるようになる。
まとめると、
ラインでアポが成立するかしないかは、9割がたラインをする前に決まっていること。
ラインはパターン化しフローチャートにして、作業化してしまうこと。
声かけ、口説き(なごみ)の強化、筋トレ/減量に意識とリソースを配分すること。
ぜひこれらを参考にして、今後の活動をリスタートして欲しい。
返事が無いと悩む側から、
返事が無いと悩まれる側へ
立場が逆転するから。
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コメント
お茶して連絡先交換しただけですが、初めてナンパ成功しました。チバさんのブログから勇気をもらっていたお陰です。ありがとうございます!
>しゅうさん
今後もともに頑張っていきましょう。