ゴールデンウィークナンパ 運命の東北子


ゴールデンウィークは1遠征。
その他すべて新宿オール完ソロ。
そして突然の東北遠征。





某日

人でごった返す街で昼スト。
ラインゲットの美女ナンパ中心で活動するも反応悪い。
遠方から来る人大勢。
ある程度LGした後作戦変更で昼寝して深夜ストに切り替え。



深夜前。
k街の近くでナンパ開始。
30分ほどで遊び終わって友達と別れた直後のD生を連れ出し。
お酒入ってて反応良い。
ノリトークでカラ連れ出し。
ボディタッチをエスカレートしてそのまま即。
終電間に合う合わないでふたりとも慌てる。
帰りたくない雰囲気出されたがダブルの欲求との兼ね合い。
駅まで送ってスト再開。



連休前半はまだ人が残ってるよう。
多くの人でにぎわう。
物件の反応が良いのでこちらの声掛けも調子良くなる。
で、声上げて電話で話すギャルに勢い良く声掛け。
ジェスチャーで電話切らす。
聞くと、男と揉めて切れてたらしい。
面白そうだから話聞きたい、と言うと、聞いてよ、とのことで騒がしい店へ。



いきなりトークが盛り上がる。
テンション維持で立ち飲みの店へ。
ボディタッチで更に上げる。
ギャルはこのテンション維持が大事。
自宅か迷ったが上げたままカラへ。
それでギラ。
グダ。
やだ、の連発。
ダブルバインド。
選択肢狭めて。
ボディタッチして。
引いて。
押して。
強く引いて。
強く押して。
間を空けて。



で、ギラ。
即。
ダブル。
噛むときは頸動脈を。



疲労があったのと、結構良い子だったこともあり、自宅へ一緒に向かう。
そのまま朝まで過ごす。
連絡交換して朝方に解散。






某日

所用終えた後夜にナンパ。
駅前で暇してたネイリストをカラで即。
やること溜まってたので解散して自宅へ。






某日


待ちに待った博多遠征。
引退した昔のスト師仲間が住んでいて出迎えてくれる。


ナンパの方は、これはもう最高に反応が良い。
本当に良い子たち。
連れ出しているだけで幸せになる。
もちろん、即る緊張感も忘れてはならない。


詳細は割愛。
コンビ2即とソロ2即1準即。
良き休日を過ごせた。







で、某日

ゴールデンウィーク前半に連絡交換した子の話。



昼に新宿で明らかに旅行者っぽくキョロキョロしてるので早速声掛け。
運命トーク使ったらがっつり刺さる。
向こうが照れまくるのでなぜかこちらまで照れてしまう。
はにかみ笑顔がめちゃくちゃかわいい。
休むとこ探してたとの事だったので、ちょっと穴場的なカフェに連れて行ってあげる。
で、そこで詳細を聞く。



20代中盤のOL。
地元はとある東北の地方都市。
色白で背の高い美人。
目とか鼻筋とか、ロシア入ってるんじゃないかと何度も疑うくらい。
でも、笑うとかわいい系の顔になる。
そのギャップに完全にハマる。
聞くと恋愛経験少なめ。
というかすっごく濁す。
全体的に照れている。
やりづらくなってくるので、お酒入れようと場所変える。



が、お酒飲まない。
というかほとんど飲まないらしい。
話し聞いてると、親がめっちゃ厳しい。
飲みもお酒も泊まりも禁止。
というか男女交際は悪、みたいな考え方。
聞くと両親はお見合い。
お硬い職業。
地元の名士。
今回は友達の家に泊まる、という名目で、友達と口裏合わせて、なんとか東京に遊びにこれたとのこと。




ここらへんでもう完全に感情移入してしまって。
よし、じゃあ、東京案内するよ、ってことで、予定変更して東京観光へ。



タクシーに飛び乗って、表参道に連れていく。
原宿やらけやき並木通りやらヒルズやら。
いつも歩きまわってるからめちゃくちゃ詳しい。
甘いもの好きだってので、名店回ってあげる。



南青山の方まで行って、裏道でショッピング。
服着せあって遊んで。
ブランド店入って金持ちのフリしたりして。
疲れたらちょっとした公園で休んだりして。



夜は知ってるだけの穴場のバーに案内してあげる。
そこでがっつり彼女の話し聞く。
幼少の頃から現在まで全部聞くくらい。
終わらないトーク。
夜も更けてくる。




で、ここで解散すればいい男なわけだが、
NICE GUYは総じてセッ○スとは程遠いという事実。
もちろん知っている。
だから良い男にはならない。
悪い男になり、即を手に入れる。




で、家打診すると、断られる。
切り返そうとすると、逆に。
うちなら良いと。
ホテルに泊まっているから、来てくれと。
逆打診。
まさかの展開。



彼女の泊まっているホテルに行く。
で、電気も付けないで。
シャワーも浴びないで。
そのままキス。
長いキス。
そして、ベッドへ。
身体を重ねる。



ほんとうに慣れてないことが分かって。
すっごく震えてて。
なので、自分が出来る限りの優しいやり方で、彼女を抱いた。



そのまま眠って、
そのまま朝を迎えた。



で、口数は少なかった。
互いに照れていたのか、何なのか。
別れが悲しかったのか。

彼女は朝方の新幹線で帰るチケットを購入済みだった。
そのまま彼女を駅まで見送って、バイバイした。


で、その数時間後。
彼女に電話して。


ゴールデンウィークの後半に、
彼女の地元に遊びに行くと、告げた。
本当?と聞かれたので、本当、と答えた。
それでも本当に?と何度も聞いてくるので、もうチケット買ったよ、と言った。
うそ。と、信じてない様子だったから、何日の、何時の、何の電車の、どこの座席かもざーっと早口で言った。
電話口から、彼女のはにかみ笑顔が見えた。
そして、メモするから、さっきの、もう一度全部言って、と彼女に言われた。





そして某日。
夕方、東北の彼女の地元の駅へ。



彼女は駅まで車で迎えに来てくれた。
言われるがまま乗ると、どこかへ向かう。
どこいくの、と聞くと、ひみつ、と彼女は言う。
しばらくして、すごく雰囲気のあるお店に到着。
地元では有名なお店に連れて行ってくれた。
彼女は数日前から予約してくれていたみたいだった。


その後はまた素敵なバーに連れて行ってくれた。
そしてこれまた素敵な夜景スポットへ。
これ全部考えてくれたの?と聞くと、うん、そうだよ。お返し。と、照れながら彼女は言ってくれた。思わず心から照れくさくなった。



夜になって。
彼女の家はとても厳しくて、一緒に泊まれないと分かっていたから、夜はカプセルホテルに泊まるために予約をしていた。
それを言うと、彼女は、キャンセル料は私が払うから、カプセルホテルをキャンセルしてほしい、と言ってきた。
どうして、と聞いていくと、彼女がすでにホテルを取ってくれていたことが分かった。
一緒に泊まれるの?と聞くと、泊まれないけど、夜までいて、一度家に帰って、朝にまた来たい、と言ってくれた。
そうすれば親のOKを取れるからと。
大丈夫だからと。
だから一緒に来て、と彼女は言った。




カプセルホテルをキャンセルして、彼女の車で、彼女の予約してくれたホテルに行った。
とても良いホテルの、とても良い部屋。
女の子にお金を出させるわけにはいかないから、なんども出すよ、と言い、お札を渡そうとしたのに、完全に拒否する彼女。


どうしてそこまでしてくれるの?と、今度は真面目に聞いた。
彼女は答えてくれた。





ずっと厳しい親に育てられてきて、親の言いなりになってきた。
地元を出て行って東京に出ていく友達が羨ましかった。
行きたいし、行けるだけの勉強もしたのに、最後まで親が許してくれなかった。


それで、高校卒業した後に友達が一気に減って。
大学を出た後も、やっぱり地元に残る人は少なくて。


社会人になって、残っているのは私だけだった。
彼氏も、親がもの凄く反対したりするし、家が立派すぎて男が引いてしまったりして、自由に作れなかった。
それでも大学の時に初めて出来た彼氏がいて、幸せだったのに、社会人になり都会に行ってしまい、そのまま別れることになった。
そうして一般職として地元の企業で働いていて、本当に希望のない生活をただただ繰り返していた。




そして、ふと思い切って一人で新宿に行った。
そしたら、いきなりあなたが話しかけてくれた。
突然。何の前触れもなく。
いきなり。
あなたが現れた。

そのままいろんなところに連れて行ってくれて、初めての体験を沢山させてくれた。
とても親切にしてくれた。
いきなり現れたあなたに、最初は本当にどきどきしていた。
不安だった。
でも、あなたは、疲れてないかとか、お腹が空いてないかとか、少し休もうかとか、ずっと気を使ってくれた。
とても優しかった。



家の誘いを断ったのは、これ以上何かさせたくなかったから。何かをお返ししたかったから。この人にだったら、自分の全部をあげてもいいと思ったから。それくらいに思った。そういう気持ちにさせてくれたことに、とても感謝した。今度は私の番だと思って、あなたの行動を全部受け入れた。あの時のことは、本当に夢のようだった。



そして、今度は本当に私の地元に本当に来てくれた。本当に嬉しい。この、突然降ってきた嘘みたいな出会いに、私が今できることは、すべてしたいと思った。だから今回は私にぜんぶおもてなしをさせて。あなたはなにもしないで。
そうすることが、私の望みなの。



そう、彼女は言ってくれた。





こんな良い子はほんとにいなかった。
毎年もの凄い数の女性と接しているけど、こんな子は、ほんとうにいない。
本当に、出会えない。


彼女が愛おしくなった。
彼女の全てを受け入れたいと思った。
でも、それはできない。
ナンパ師はそういうもの。
多くの出会いを得る代わりに、同じだけ多くの別れを経験する運命にあるから。
だからいつも出会いを感じた瞬間、終わりが見えてしまう。
すぐ長続きしないことが分かってしまう。
悲しいけれど。
受け入れることはできない。
彼女の今後の全てを受け入れることはできない。



でも。
だからこそ。



この日をめいっぱい楽しもうと思った。
この会える日に、彼女をめいっぱい感じようと思った。
終わりがあることが分かっているからこそ。
ずっと続く関係でないことが分かっているからこそ。
その分。
その分だけ。
彼女と一緒にいる一分一秒を大切にしようと思った。
彼女のすべてを感じ、すべてを記憶にとどめる努力をしようと思った。




彼女とは夜中まで過ごし、
一度別れ、
朝方また合流し、
そして昼過ぎに駅の改札で解散した。



彼女は手紙をくれた。
買ってくれた沢山の地元のおみやげと共に。
たった2日間しか一緒にいなかった男のために。
素性も分からない男のために。
手紙は、電車の中でまともに読めなかった。





彼女がいるからこそ、街が暖かい。
彼女のような子がいるからこそ、街に希望が持てる。



出会えて、本当に良かった。
心からありがとう。




















コメント

  1. 火の鳥 より:

    チバさんの心がたくさん見えておもしろかったです。
    そして勉強になりました。
    更新楽しみにしています。

    • チバ より:

      火の鳥さん
      こちらこそいつもありがとうございます。
      ともに頑張りましょう。

  2. とむ より:

    感動した。

  3. タカ より:

    素敵なお話ですね。
    ナンパの醍醐味って、誰にも話せない秘密や悩みを
    話してもらえるものだと思います。

  4. 健太 より:

    短い小説を読んだ気分になりました。
    しみじみして、切なくなりました。

    お二人の心情がよく伝わってきました。

  5. 健太 より:

    短い小説を読んだ気分でした。
    結末は切なかったです。

    お二人の心情が伝わってきた文章でした。

  6. チバ より:

    とむさん
    ありがとうございます。


    タカさん
    しがらみがないからこそ話せたのかもしれません。


    健太さん
    ありがとうございます。
    今後も記事を投稿していきます。

  7. いっしゅう より:

    チバさん
    いつも文章うまいですね
    せつない気持ちになりました。
    また、頑張って下さい♪
    自分もたまに新宿でナンパしています!

  8. ひだり より:

    はじめて読ませていただきましたが、いきなり凄い記事内容で
    めっちゃグッときました。本物のプロなんだなと。
    これからも楽しみにしています。

  9. イワシ より:

    初めてブログ拝見しましたが、コメントせずにはいられない感情になりました。素直に感動しました。
    自分も最近新宿でナンパしてますが、色んな顔があって興味深い街ですよね。

  10. チバ より:

    ありがとうございます。
    どんなに歴を重ねても新しいことがあります。

  11. バナナ より:

    すごい印象的な文章でした。
    メッセージ書きたくなっちゃいました。
    こんな出会いできるように頑張ります

  12. タロウ より:

    この記事は本当に気に入っています。

    こういう出会いは心から羨ましく思います。

    声を掛けたことで、はじまるドラマ。

    私も経験したいです。

  13. たくぞう より:

    初コメ失礼します!!!
    こんな素敵なことごあると思うと本当にナンパには夢があるということが体感しました。

    僕もチバさんのように素敵なナンパします!!

  14. よし より より:

    珠玉の短編。 何回も読み返しました。 毎回感動です。

  15. チバ より:

    >タロウさん
    良い偶然でした。

    >たくぞうさん
    ストリートには夢があります。

  16. ソン より:

    ハートフルなストーリーですね。

    チバさんと女の子の人柄の良さが伝わってきて、とても幸せになれました!

    • チバ より:

      >ソンさん
      ありがとうございます。
      本当に良い子でした。

  17. YOSHIKI より:

    ちょうどGWでもありコメントしたくなってしまいました。自分はチバさんのブログに出会い、ナンパを始めました。このお話は何度読んでも心が温かくなります。一度もあったことが無いけれど、とても尊敬しております。お体に気をつけて、これからもご活躍を楽しみにしております。