とある女性と大げんかをした。
長い付き合いの女性で、良い関係を続けていた。
だが寝る前のベッドの中で口論になり、激しい罵り合いになった。
女性に限らず、自分はそもそも人に対してめったに怒ったりしないのだが、
図らずもそうなってしまった。
彼女は全方位的にあらゆる対象を侮辱した。
自分を侮辱されるのはまだ許せるが、侮辱されたくない相手を侮辱され、
結果大戦争になってしまった。
原因ははっきりしないし、そもそも男女間の喧嘩なんて感情が絡んでおり、因数分解しても意味のないものだからアナライズしたってどうにもならないのだが、
とにかく聞きたくないことだったし、彼女の口からそんなことを言ってほしくなかった。
そういう理由もあり本気で応戦してしまったのだと思う。
結局40分ほど口論をして、彼女は大激怒して夜中にタクシー使って家に帰って、
自分も感情が収まらなかったが、
とにかくこういう事態になってしまったことに対して謝ろうと思い、
すぐに謝罪のラインを送った。
朝起きても結局既読にはならなかったが。
関係の浅い女性だったらいい。
もう会わないから。
何なんだよ、と思い、
次に行けばいい。
だが彼女とは非常に長い付き合いで、
更に言うと、12月に一緒に温泉旅行に行く予定を立てていた。
とある雪国の宿に、ふたりで新幹線で行くことになっていた。
普通に楽しみだったし、すでに宿は抑えてあった。
女性との喧嘩は映画のようなものだと考えてきた。
たとえ1時間口論が続いたとしても、それが終わればもうおしまい。
映画の最中にどんなに怒ろうが、泣こうが、憤ろうが、
映画が終わってしまえばそれでおしまい。
その後普通に夕食を食べに行くこともできるし、お酒を飲みに行くこともできる。
だが、関係の深い女性との喧嘩はそうはならない。
続きがあるのだ。まだ関係は続いていくのだ。
めちゃくちゃにしたら、そのめちゃくちゃになった状態のまま、
そこからまたスタート。
前回受けた傷や、負い目や、印象や、聞きたくない言葉の断片や、
大声を上げる彼女の表情や、
それらをすべて記憶に残しながら、また顔を合わして会話をするのだ。
ゆううつな理由はそれだ。
なんとかしなくてはいけないのだ。
したくないことをしなくてはいけない。
それは義務だ。
それこそが義務だ。
あるキャラクターが言っていたが、
義務とは、したくないことをすることだ。
まさにその義務が、残置物として残ってしまっている。
どんなに相手が悪いと思っていても、
解決に結び付けなければいけない。
そんな、憂鬱な義務感。
例えるならば何だろう。
嫌な映画を毎週決まった時間に観せられるようなものか。
だがそれなら目をつぶって寝てしまえばいい。
何だろう。
嫌なクレーム客の自宅に、謝罪にいかなければいけないようなものか。
怒られると分かっている、こちらはただ謝らなければならない、
それを分かっていながら謝罪に行く。
その訪問スケジュールが、毎週必ず設定されており、
それが少なくとも半年先まで続いている、というようなものか。
いや、半年先までならまだいいか。
無期限、あるいは一生、なんて状態だろうか。
絶対に許してくれない相手を相手にするとして。
とんでもなく憂鬱だ。
これが良い例えかもしれない。
とにかく喧嘩をしたあとは憂鬱だ。
新しいことをやろうと思えなくなるし、
何かをやるにも、ため息が止まらなくなる。
女性と喧嘩をしないための本とか、和訳された文庫本が家にあるけど、
読む気が起きない。
仲直りをする方法、とググる気すら起きない。
読者の方は、どう対応しているのだろうか。
コメント
当ブログを日々楽しく読ませていただいてます。ありがとうございます。
詳細はわからないですが、自分としては喧嘩は決して悪いことだけではないと思ってます。感情的には嫌ですが笑
1番の良い点としては、結婚前に大げんかでき良かった、という点かと思います。
喧嘩することにより彼女の深いところまで知ることができた、という点が大きいかと。
筋肉と同様、仲直りすることでさらに絆が太くなったり、はたまたそのまま絆が復活せず関係も終わる、ということもあるかもしれませんが。。
普通の時は包容力があり、ほぼほぼ同意してくれるが、譲れないところは譲れない、という芯があるところも、男性的に魅力的にうつる女性も多いかと思います。
>もむさん
相手を深く知るためのプロセスと考えれば、有意義なものかも知れません。
芯のある女性は魅力的だと思います。
チバさん
いつもブログ、メルマガでお世話になっています。
自分は既婚者で結婚して10年以上になりますが、よく妻と喧嘩をします笑
理由は大抵がつまらないものですが、妻がそもそもの話題と関係ない話を持ち出して攻撃してくると、つい迎撃体制に入り大喧嘩みたいになることもあります。
喧嘩の事情は様々とは思いますが、それなりに関係が深い間柄で大喧嘩になる場合は、お互いに「この人ならここまで酷い事を言っても最終的には受け入れてもらえるだろう」という信頼関係が存在しているから細心の注意を払わない言葉を発することが原因だと自分は思います。
信頼関係がしっかりしていれば、それなりに時間が経過して感情が落ち着いた頃に、互いの主張を認めつつ、言いすぎてゴメンというスタンスで向き合うことができれば解決へ向かうのではないでしょうか。
喧嘩中は相手の真意がわからず気分が悪いですが、そういう衝突をしていく過程を経て互いに理解しあい、関係性が深まっていくこともあると思いますので、異性との大喧嘩は特別な相手としかできない基調な経験と理解しています。
相手の方がチバさんとの関係を大事に思っておられることを祈ります。
>nanashiさん
歴の長い方からのコメントありがとうございます。
より貴重な機会として捉えていこうと思います。