世界からグダが消えたなら


原点に返ろうと思い、
最近は意識的に一人の時間を作っていた。


出た結論は変わらず単純で、
目標は別格の美女を口説き落とすこと。


街中でもたまにしか出会えない、
目を疑うような美女。

その中でも、別格中の別格の美しい女性を、
さも当然のように、
自然に魅了していける男になること。


グダなく、美しく口説き落とせるようになること。


この目標を心に刻み活動を続けていくこと。
人生の炎を燃やしていくこと。


改めてそう決意表明して、
生活スケジュールを整理して、
そして活動を再開していた。


ぽつぽつ即もするが、
こうするとやはりアポ主体になり、
総ゲット数は減ってくる。


ゲット数はナンパ師にとっての存在意義であり、命のようなもの。

だが次のステージに進むには犠牲が必要だし、
失敗が必要だと分かっている。
そのためには今までとは違うことをしなければならないし、
その読みが完全に外れてしまうような経験もしなければならない。


鉄板の店もルートも実験的に変えてみたり、
気付けば長年住んでいる今のマンションも
そろそろ変えてみる必要があるか、
なんて本気で検討したり。


そんなことを考えたり実践したりして過ごしていたが、
そんな中かなりスト値の高い女性とのアポが
最近立て続けにあった。


1件目は某日の銀座ナンパの案件。

彼女はアラサーの某生保の総合職女性。
アポは新宿で行なったが、
実験的に普段とは違う店と違うルートで
口説きを実施した。


1軒目からトークの反応が良く、
2軒目も良い感じ。


盛り上げまくった2軒目の店を出て、歩き始めるとき、
彼女がすっ っと腕を絡めてきたときには、
よし!!と思ったし、


ここの店も動線も悪くなかった。
むしろ最高だ、なんて思いながら、
そのまま自宅へと向かって、
ノーグダで甘い夜を過ごした。



次の日。
昨日も調子良かったし、
今夜もいけるか、と思いながら、
ちょっと無理めな案件のアポに緊張しながら向かった。


この日の案件は、
某日の丸の内ナンパの案件。


けっこうキツめだったし、
連絡先交換をしぶられたし、
話し方からしてバリキャリ、って感じの、
すべてがきっちりしてそうなアラサーの女性だったので、


ノリとか雰囲気は通用しなさそうだな、とか思ったり、
今夜は負けそうだな、なんて弱気になったり、


でも負けたくない、と思ったので、
変なチャレンジはせずに、長年使い続けた鉄板の店とルートで自信をもって口説こうと思い、
いつものルートを選択した。


で、1軒目のアポの最初の重要なトーク。
がっつりと心の距離を縮めるトークをするのだけれども、


チバ「□□って、○○じゃない?」


と話題を投げると、


彼女『それについては私の考えはxxxで、』

彼女『だってyyyはzzzで***じゃない?それなら///は+++で—だから、、』

彼女『つまり~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~』


と、がっつり議論モードになってしまう。


これはいかんと思い恋愛トークを投げると、


彼女『人による』


を連呼されるし、


これもいかんと思い、あなたならどうなの?
としっかり訊いていくのだけど、


彼女『状況による』『相手による』


ばかりを言われ、
口では「そうだよねー」なんて言いながらも、
頭の中では、完全に手で顔を覆っていた。


確かに間違ってはないし、
真実なのだけれども、
そういうことじゃないし、そういうのが聞きたいわけじゃない感。


でも、彼女は背も高いし美しいし自分のタイプだし、


厳しい学校の先生とか、厳しい女医さんとか、
って感じのSっ気のある魅力があったし、


何より彼女の心の奥を覗いてみたいし、
ふれあいたい、と強く思ったので、
そのまま会話を継続していく。


で、ぶっちゃけトークで盛り上がりかけた瞬間に店移動を提案して、
2軒目でがっつり距離を縮めていく。


話が弾んで、週末で互いに明日休みだってこともあって盛り上がって、
さあ退店して、


ああ、ここから家打診かホテル打診か?
いけるか?


きびしい、、


グダられたときのやりとり、めちゃくちゃ面倒くさそう、、
ぜったいノリじゃ崩せなさそうだし、


下手なこと言ったらいきなりキレたりしそうだし、
『ヤリモク最低!!』なんて叫ばれそう、、


打診どうすっか、、


なんて考えて、
心の中で頭を抱えながら繁華街を歩き始めてた。


そしたら。



すっ


と。




無言で。
彼女のほうから。


自分の右腕に、彼女が左腕を絡ませてきた。


思わず本気で驚いた顔をして、
彼女の表情を見た。



うつむき気味。
でも頬が高調してる。


うつむいた目が、潤んでいる。


ちらっと、上目遣い。


決断。
秒でタクシー。



自宅。
IN。

ギラ。


ノーグダ。




準即。



で、どうする?泊まる?
となって、
『どうしても泊まりたい』
『一緒に寝たい』、とのことだったので、
次の日の朝までずっと彼女一緒に居た。
(泊まりは本気で断られると思っていた)




グダが無いことは当然だが良いことだ。


そして、誰もがグダと戦っており、
崩せないグダに悔しい思いをし、
時に落ち込み、時に涙する。


皆グダを無くす努力をしており、
皆グダを無くすテクノロジーを求めている。


ナンパ活動とは言い換えると女性のグダとの戦いであり、
数あるテクニック、マインド、理論、その他全ては、

女性のグダをどう処理していくか、
グダをさせずにどう自分の主張(自分が望むもの)を通していくか、
という世界でもある。


理想のナンパ師という存在はグダ崩しの天才であり、
自分の主張を実現する天才であり、
すべての女性にとっての例外となる存在である。


グダという大きな壁を壊せる存在であり、
誰も乗り越えられないグダという壁をよじ登り、乗り越えることの出来る存在であり、
ときにはその壁を手品のようにすり抜けてしまうことのできる存在である。



だが、この世から完全にグダが無くなったら?



女性へのギラはすべて通ることになる。
女性は全員立ち止まってくれて、
どんな予定があっても連れ出しに応じてくれて、
そしてギラツキに笑顔で応じてくれる。


全世界の全女性が即系女子であり、
何を言ってもどう言ってもその主張はすべて通る。


そんな世界。


一瞬、すげえ!と思う。

全部の主張が通る最強のフリーパス。
そんな最強チートの、
まるでド○○○んの秘密道具みたいなもの。


そんなのがあったらいいな。
できたらいいな。

なんて思う。


だが、深く考えるまでもなく、
そんな世界はつまらないし、気持ち悪いと思う。


全員が全員自分の言うことを聞いてくれて、
全員が全員自分の命令に従ってくれる。


何だか女性型ロボットみたいで、気持ち悪い。


ここまではよくある話で、
よくある思考。


だが、ナンパ活動において、
実際にこれに近い状況があるとしたら?


誰もが目指すノーグダゲット。

誰もが憧れる、声掛けして10分での即ゲット。


誰もが憧れるスト直ホテル連れ出し。
誰もが憧れる連続マシンガン弾丸即。


誰もが憧れる、美女を即ゲット。


誰もが目指し、
誰もがそのために努力する。


しかし、それが実際に現実のものとなったら?



自分が人生を生きてきて学んだことのひとつに、
困難や制限こそが人を成長させるもの、という教訓がある。


辛い出来事こそが人を強くするし、
心が壊れるような悲しい出来事があっても、
その裂け目から光が差し、


また新たに頑張ろう、強くなろう、という
気持ちが芽生えて育つということ。


困難があるからこそ乗り越えようと思うし、
頑張れるし、
粘り強くなれるし、
やりがいや達成感を得ることが出来るようになる。



だが、ナンパからグダが無くなったら?

そうなったら、自分はナンパをそれ以上続けていくのか?



もちろん、実際にナンパでグダが無くなるなんてことはない。
実際にいまだってガンシカは日常的にされているし、
普通にキツめの美女にキツめに断られているし、


ラインで既読無視、未読無視されることなんて全然あるし、
ブロックをされたことだって当たり前のようにある。



街で別格の美女を見つけても、
男といたり大勢の中にいたら声をかけられないし、


あまりに遠くにいて声をかけられないこともあるし、


別格の美女がひとりでいて、声をかけられる貴重で絶好のチャンスが訪れたのに、
あまりの美しさに足がすくんで、声をかけられずに涙するなんてことも全然ある。


勇気を出して声をかけたのに結局ガンシカで、
あ、今日は家帰ろ、、 と、下向きながらさっさと自宅に帰ることなんて全然普通にある。


すべての女性からグダが無くなる。


そんな世界があったら本当に行ってみたい。
なんでもやりたい放題してみたい。


当たり前だが、そういう欲求はある。


しかし、上記した通り。


それが現実のものとなったら?
本当にその世界が訪れたら?


果たして、本当にハッピーになれるのか?


ナンパ師の究極はすべてのグダがノーグダとなること。

ナンパ師はただ、女性のグダを消すために存在していること。



それなのに。



ナンパ師は、グダのない世界では生きていけない。

グダのない世界では、ナンパ師はナンパ師でいることが出来ない。



そんな矛盾。



ナンパ師とグダの、
そんな矛盾した関係。



そんなことを考えた。


ありもしないことを考えているし、
ありもしないことを出来るようになりたいと願っている。



矛盾だらけ。













コメント

  1. Yoji より:

    こんばんは。頻繁にブログ拝見させていただいてます。私も新宿でたまにナンパするのですが、連れ出すのに良いお店を知らないため即をしたことがありません。そこでちばさんが普段行かれてるお店を知りたいのですが、メルマガで教えてくれますか?

  2. チバ より:

    >Yojiさん
    メルマガにて、不定期かつ限定的にお知らせしております。